【数字から見る】通信制高校とは

私は以前、通信制高校の教員として勤めていました。

それを伝えると大体の人が「通信制高校って普通の高校とは違うの?」とハテナが浮かぶようでどんな所なのか説明しています。普通のっていうのが引っかかりますが。

少しでも多くの人に通信制高校を知ってもらい、今学校に行けなくて不安な方が将来に希望が持てたり、今通っている通信制高校の子達が就職しやすい、受け入れられやすい社会になればなと思います。

この記事を読んでわかること

  • 高校は全日制、定時制、通信制に分類される
  • 通信制高校は全体の4.6%で257校(昭和45年は1.7%で82校)
  • 生徒数は全体の6.3%(20万人を突破)
  • 全日制、定時制の生徒数は減っているが通信制は増えている
  • 生徒の年齢もバラバラだが概ね10代から20代

高校には種類がある

私もですが、進学する高校を選ぶ時、公立か私立に行くか選んで自分の学力や学びたい分野があるかどうかで選ぶ人が大半だと思います

実は高校には公立私立以外にも種類分けされています。

それが全日制定時制通信制です。

全日制とは

週5日、日中に学校へ通い3年間で卒業資格を取ります。

定時制とは

年配の方は夜間と言ったりするように、夕方や夜に学校へ行き授業を受けて卒業資格を取ります。3年で卒業できますが4年かかる人もいます。

通信制とは

各学校が定めた登校日数で学校へ通い、自宅で勉強することをメインとしています。在籍期間は生徒によってさまざまです。転入生の場合は1年間で卒業する人もいます。

ざっくり言うとそれぞれの特徴はこのようになります。

通信制の各学校で定めた登校日数というのがピンキリで、年に数日登校するところもあれば、全日制のように週に5日登校する学校もあります。

「通信制高校って学校全然行ってないんでしょ?いいなーって言われた…」

(いやいや、週3日来てあとはバイトしてるから自由ではない!)

と言いたかったけどショックでアハハしか返せなかったと生徒から話をしてもらったことがあります。

様々な事情があり、それでも高校卒業の資格を取りたいと頑張っている子がたくさんいますが、まだまだ通信制高校というものを知られていないのが現状です。

数字で見る通信制高校

通信制高校の数

令和2年度の文部科学省の学校基本調査では、通信制高校の数は257校です。

これは全体の4.6%に当たります。

ちなみに昭和45年(1970年)の通信制高校の数は82校で、全体の1.7%程度でした。現在53歳の方が高校生の時なので、今の高校生の保護者の方に近い世代では本当に珍しいカテゴリーだったということがわかります。

通信制高校の生徒の数

令和2年度の文部科学省の学校基本調査では、通信制高校の生徒数は206,948人です。

これは全体の6.3%に当たり、定時制よりも人数が多いのです。

昨今は子供の数も減少し、高校生の人数全体が減少しており、全日制と定時制の生徒は減少傾向にあります。しかし、通信制高校の生徒は増加傾向にあり、通信制高校を選択する生徒が増え必要とされているということが数字からわかります。

通信制高校の年齢層

「定時制や通信制高校に通う人って高校卒業していない人が大人になってから通うものでしょ?」と聞かれたこともあります。

しかし、昔から通信制高校(特に私立)は若い世代の子たちが学ぶ場所でした。

昭和60年当時も令和2年の現在も90%前後の割合で16〜18歳の子たちが在籍しています。

私が見てきた通信制高校

通信制高校の数、生徒数

私が通信制高校の教師として働いていた数年もライバル校は増えていました。今回説明はしていませんが、通信制高校の中にも種類があり、サポート校と呼ばれる学校は特に増えていました。

そして、生徒数も右肩上がりで担当する生徒の人数は毎年増えていました。入学してくる人数が昨年より少ないということは今まで一度もありませんでした。

通信制高校の年齢層

文部科学省の調査でもあったように90%前後が16〜18歳というのは通信制高校によってかなり差が出ると思います。

私が勤めていた学校では、16〜20歳までで90%前後という印象です。全日制高校を退学し、一度就職してから学生に戻るパターンもあり、18歳で高校1年生の勉強をする子も毎年いました。

残りの10%は20代以上で、大体の生徒は働きながら通学していました。私が担当するクラスに年上の生徒がいたこともありますが、徹底的に先生として接してくれる方、年下のお前の言うことなんか聞きたくないという方もいました。

それでも「高校卒業の資格を取りたい(取らせたい)」という気持ちは一緒なので卒業する時には感謝の気持ちをお互いに伝え合える関係になっていました。

20歳でもう一度年下と一緒に通うのは抵抗があるという方もいると思います。通信制高校の先生は毎年そのような気持ちを抱えた方と対面しているのでプロです。嫌であれば嫌と言っていいですし、不安であれば不安であることを伝えても大丈夫です。

学校の見学は毎日受け入れている学校がほとんどなので、行くだけ行ってみるのもイメージできて良いかもしれません。

全日制も定時制も通信制もそれぞれにメリット、デメリットがあると思います。通信制高校という選択肢もあることを知ってもらい、高卒の資格を取って自分の将来に希望が持てる人が増えてほしいなと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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