前回、通信制高校についてザックリ紹介しました。
今日は「通信制高校を卒業しても全日制を卒業したのと同じ資格なの?」という疑問にお答えします。
これがわかれば自分があと何年通えば卒業できるのか目処が立つかもしれません。
この記事を読んでわかること
- 全日制も定時制も通信制も卒業すれば同じ資格
- 卒業要件は3つ
- 3年間の在籍
- 74単位以上取得
- 特別活動30時間以上
高校卒業の資格は同じ
まず、冒頭の疑問について結論から言うと、全日制でも定時制でも通信制でも卒業して得られる資格は同じです。
どこを卒業しても高校卒業の資格を得られます。
高卒以上と書かれた条件のものはクリアになります。例えば大学進学、国家資格の試験、アルバイトや正規社員の求人条件等がそれに当たります。
高校卒業の要件
では、高校卒業の資格を通信制高校で取得しようとしたらどんな要件を満たしたら良いのでしょうか。
3年間在籍すること
一つ目は高校に3年間在籍していることです。
「それだけ?」となるかもしれませんが、これが実はあまり知られていなくて卒業の時期が同級生より延びてしまうこともあるのです。
「このままでは留年しそう」となった時、とりあえず他の学校へ転入する前に今の学校を退学しようと先に辞めてしまうと延期になる可能性があります。
よく聞くのは「担任の先生が○月までしか学校に籍を置けないと言っていた、だからとりあえず退学した。」です。
学校によっては途中で通信制高校へ転入する生徒が全くいないところもあります。なので、全日制の先生も仕組みをよく知らないということはよくあります。
どのような場合が卒業延期となるのか。
例えば、高一の夏終わり(8月)に学校を退学したとします。そして年が明けて1月頃にやっぱり高校卒業はしたいと思い、通信制高校へ入学しても卒業の時期は他の同級生より半年近く遅れてしまいます。
なぜかと言うと3年間の在籍がクリアできないからです。
8月で退学したら学校への在籍期間は5ヶ月になります。9〜12月までの空白の4ヶ月は在籍期間に含まれないので他の同級生に比べて最低でも4ヶ月は高校生でなければいけません。
通信制高校によりますが、大体半年に一度卒業式を行いますので4ヶ月の空白があると半年卒業が遅れるということになります。
退学をせず、籍だけを学校に置いたまま通信制高校へ転入すれば在籍期間が途切れてないので要件をクリアでき、同級生と同じタイミングで卒業できるのです。
学校に行ってる行ってない、単位が取れてる取れてないは関係ありません。在籍していればオッケーです。
74単位以上の取得
二つ目は74単位以上の取得です。
実は各科目には単位があり、その単位の合計数が74単位以上取れたら卒業の要件を満たしたことになります。
ただし、各科目には必修科目があり、必修科目はすべて取らなければいけません。好きな科目だけを受けて卒業はできないということです。
大半の人が苦手な数学は「数学I」が必修科目であり、他の「数学A.B.C.II.Ⅲ」は選択科目になりますので選ばなくても高校卒業ができます。
また、違う学校からの転入生が注意することとして高専高校や工業商業高校から転入してくる人は、専門科目が必修科目と認められない場合があります。
例えば、高専特有の数学や理科の科目が必修科目に含まれないとなったら転入してから取得しなければいけない必修科目が増えます。
各通信制高校で1年間に取得できる単位数には上限があるので在籍期間をクリアしていても取得単位数で卒業が延期になる可能性があります。
なので高専や工業商業高校の人は転入する前に取得単位の一覧表を持って、入学を希望する通信制高校に問い合わせて卒業の時期を確認してみても良いと思います。
特別活動を30時間以上
最後は特別活動に30時間以上参加するです。
特別活動とは言い換えれば学校行事のことです。
全日制の方は驚くかもしれませんが、毎年行う体育祭や文化祭、クラスマッチ、講演を聞く授業も卒業する要件に関係しています。
1年間で10時間を目安に、3年間で30時間以上このような活動をしなければいけません。
しかし、私が教員をしてきてこの要件が満たせず卒業延期になった子はいませんでした。
体育祭や文化祭が苦手な子もたくさんいます。そのような生徒には参加しやすい行事が各学校あるので何とか30時間になるよう先生達が工夫してくれます。
ちょっと足りないかもな…となったのは芸能活動やプロのスポーツ選手等、学校に来る時間がどうしても取れない生徒達だけでした。
それでも30時間はクリアしたのでこの要件は先生達の腕次第かもしれません。
高校卒業の資格を得るためにはこのような要件があると知らなかった方も多いのではないでしょうか。
高卒認定試験で高校卒業の資格を取得される方もいますが、「勉強が苦手だな」、「自分で独学で勉強するのは自信がないな」という方は通信制高校へ入学して卒業を目指すのも良いかもしれません。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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